好きを仕事にする人と想いを仕事にする人

「好きを仕事にする」という言葉をよく耳にしますが、
私はあまりこの言葉を信じていません。

 
ホテルが好きなのか、ホテルへの想いか
ホテルに入社を希望される方の面接において
「なぜホテルで仕事をしたいのか」と私は必ず質問の一つに入れます。
そして、その返答に『ホテルが好きだから』というキーワードがあった時点で、
その方がホテルで働くうえでの期待値は低く、採用を見送ることがあります。
 
たとえ採用したとしても、そこからかなり時間をかけて育てていく必要がある人材だと覚悟しています。

 
その支点(視点)はどこにあるのか
というのも、こういった返答をされる人の多くは、
あくまでも「ホテルそのものが好き」であり、
その支点(視点)となる部分はホテルが好きという「自分」にありります。それは他人の幸せにベクトルは向いていないのです。
 
おそらくこれまでに高級ホテルなどサービスを主体とする環境での人材育成の立場にいらっしゃった方や、マネージャーなどの管理職にあった方は、この言わんとすることは容易に理解できると思いますが、
こういったただホテルが好きという人は、「最高の」パーソナルサービスに結びつけられない傾向にあるように思います。
 
ホテルの仕事とは、その言葉の語源からも分かるように、ホスピタリティーこそが最も重要な役割を担います。
これは誰かのために何かしたいという、「相手」に向けられた支点(視点)があって初めて生まれる自分自身の想いであり、これがないとそのホテル本来の仕事には近づけないのです。
それはマナー研修で得られるような、型通りのものではないことを高級ホテルで経験値を高めてきた人は知っています。
(話はそれますが)ちなみにリッツカールトンやセントレジスでは画一的なサービスを嫌うため、サービスにおけるマナー研修やマニュアルは存在しませんでした。

 
そこまでか、それ以上か
もちろん、「ホテルが好き」というスタッフはホテルのサービスについて良く知っているというのは事実で、ホテルユーザーがどんなサービスをすれば喜ぶだろうかということも、ある程度経験上知っています。
そのためサービス内容そのものは、そこそこ良い物を提供できますが、
あくまでも自分が支点にあることは変わらない為、そこまでのサービスであり、決してそれ以上にはならないのです。
 
しかし、それとは反対に
自分のホテルに対する「何らかの想いを持ってその仕事をしたい」と考える人は、
経験や知識だけに頼らないサービスを提供する傾向にあります。
ホテルを利用してくれる誰かのために何かをしたいとか、その自分がしたサービスによって、その先どうなってもらいたいという想いが強く、そこから考えて行動するため、気が付けばお客様の期待値を大きく上回っていたということがしばしばあります。
「ホテルとお客様に対する特別な想い」が仕事につながっているのでしょう。
当然ながらそのスタッフに付いているお客様が多いのはもちろんの事です。
そしてこれはどの職種にも言えることだと思えます。
 
もしあなたがお客様の立場だったらどちらのスタッフにサービスしてもらいたいですか。

 

 

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